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注文住宅を建てるなら、ランニングコストも踏まえた計画が必要です。ローコスト住宅で施工費は安くても、ランニングコストが高くなるケースがあります。
ローコスト住宅のランニングコストは、住宅グレード、メンテナンス頻度などが関係します。どんな問題があるのでしょうか?
一部のローコスト住宅会社によっては、建築費を抑えるため断熱材をはじめ、建築材料や内外装など必要最低限のレベルにしていることもあります。断熱材のグレードが低い住宅の場合、夏の暑さや冬の寒さなどが室内に影響しやすくなります。そういった場合の対策として、エアコンやヒーターなどの機器の使用も考えられますが、機器を稼働し続ける場合に懸念されるのが電気代の増加です。
断熱性能の低い住宅の場合、エアコンなどの使用機会が増えることでのランニングコスト増加が懸念されます。
安い建築材は、性能や機能、耐久性も低い場合があります。耐久性が低いと、高いグレードの材料よりも早く劣化し、頻繁に交換が必要となる場合もあるのです。
こうしたメンテナンス費用も住宅のランニングコストに計上されます。
ローコスト住宅をプランニングしている施工会社が全て低グレードの材料を使用しているわけではありません。バランスを取りながらプランニングする施工会社も存在しますが、会社のHPや口コミなどではそういった会社を見つけ出すことは難しいでしょう。ランニングコストを抑えたい場合、打ち合わせや相談の際に、担当者に確認してみるとよいでしょう。建築材のグレードや断熱性などにこだわりたい場合、その旨を前もって伝え、建築費などを勘案しつつ担当者とよりよい住宅づくりについて話し合う必要があります。
外壁、ベランダ、屋根などの建物の設備は、長期間の風雨や紫外線による劣化が避けられません。劣化や破損などが見られた場合、外壁塗装や修繕が必要です。目安としてはおよそ100万円の費用がかかるとされています。
また、水まわりの設備関連にもメンテナンスに費用がかかります。これらの設備は耐用年数を超えると故障が発生しやすくなります。水回りのメンテナンスコストは、設備のグレードにもよるものの、こちらもおよそ100万円を目安と考えてよいでしょう。
ランニングコストを抑えるためには、毎月の電気代を削減する必要があります。エアコンを1日中稼働させたり、複数台動かしている場合は毎月のコストが懸念となるでしょう。断熱性能を高めることで、エアコンの使用を最小限に抑えつつも快適な環境を保つことができます。
外壁塗装には様々なグレードの塗料があります。耐用年数が10年未満のものから、15年以上の高耐久性のものまでがあります。耐用年数が短いほど、より頻繁な施工が必要となります。逆に高いグレードの塗料は初期費用が高くなりますが、耐久性の高い塗料なら塗り替えの回数を減らすことができるため、長期的に見ればランニングコストを抑えられるのです。
屋根のデザインは設計段階で慎重に考慮される必要があります。複雑な構造の屋根は初期費用が高くなるだけでなく、修理時のコストも高くなります。素材によっても耐用年数や耐久性が異なるため注意が必要です。長期的な視点で屋根の形状や素材を考慮することが、ランニングコストを抑えるために重要といえます。
ランニングコストを削減する観点から、ZEH住宅も一考する価値があります。ZEHは太陽光発電システムの設置により初期費用が高くなる傾向がありますが、ランニングコストを考慮するとメリットがあります。太陽光発電により電気代をまかなえるほか、高い断熱性や気密性によって電気代を大幅に削減できます。また、補助金なども活用することができる点も考慮しておくとよいでしょう。ZEHに対応をしていてかつローコストの住宅というのは非常に難しい条件といえるため、ローコスト住宅かZEH住宅かのどちらかを選ぶ必要があるでしょう。できるだけ初期費用を抑えたい場合はローコスト住宅を、長期的なランニングコストを抑えたい人であれば、ZEH住宅を検討してみてもよいでしょう。