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注文住宅の場合、どのようなプロセスで家づくりは進んでいくのでしょうか。また、それぞれの段階ごとに、どのような準備をすれば良いのでしょうか。
このページでは、注文住宅での家づくりを考えている方向けに、無事に住まいが完成して引き渡し・入居となるまでのそれぞれの段階について解説しています。
注文住宅の場合、一番最初に「イメージ作り」を行います。どれくらいの大きさの土地が必要なのか。土地は郊外で探すのか、あるいは都市部で探すのか。外見はどんなデザインにするのか。間取りはどうするのか。具体的なイメージを膨らませるために、雑誌等を参考にしたり、あるいは、家族の意見を参考にしたりながら、最終的に、どんな暮らしを新しい住まいで叶えたいのかを少しづつ明確にしていきます。
新しい住まいのイメージが明確になってきたら、次に資金計画を建てていきます。自己資産はいくら用意できるのか、銀行からはどれくらいの融資をうけるのか、月々無理なく返済できる金額はどれくらいなのか、等について考えながら、「土地代+建物代」の予算の目安を決めていきます。また、この段階で予算、立地、間取り、内容…etcといった条件の優先順位を決めておくと良いでしょう。
なお、資金計画を立てる際に注意したいのが、電気・ガス・外構工事といった付帯工事費、各種調査費および申請費、家具の購入費など、建物代のうち建物の建築費用とは別に掛かってくる費用です。一般的には、建物代全体のうち、建築費に充てられるのは70?80%程度と言われています。
新しい住まいのイメージが固まり、資金計画が決まれば、いよいよ土地探しです。土地探しには幾つかの方法がありますが、基本的には、住みたいと考えているエリアの不動産会社に具体的な希望を伝え、適当な土地を探してもらうか、施工会社が土地探しから対応してくれる場合には、施工会社に依頼する、というのが一般的です(なお、施工会社に土地探しを頼む場合、土地代と建物代をまとめて一つの予算として考えることが出来る、というメリットがあります)。
あらゆる条件を満たす理想的な土地、というものはなかなか見つかるものではありません。土地探しをする際には、あらかじめ期限を設け、幾つかの条件については柔軟に妥協し、選択肢の幅を広げる、といった姿勢を採ることも時には必要となります。
希望を満たす土地が見つかれば、次はハウスメーカー・工務店の選定です。
家を実際に建てるのは施工会社である以上、施工会社の選定には細心の注意が必要です。信頼して任せることが出来る会社なのかどうか、これまでの実績、スタッフの対応、自社施行か否か…etc、といった複数の観点から、総合的に判断する必要があります。
施工会社としては、ハウスメーカーや工務店、設計事務所がありますが、それぞれ、
といった特徴があります。
さて、次に行うのが、「敷地・地盤調査」です。敷地・地盤調査とは、「その土地にはどんな建物を建てることが出来るのか」を調べるために、土地の方向・大きさ・形状・高低差や、道路の位置、周りの建物や樹木の位置といった複数の要素について調査することです。
敷地・地盤調査が終われば、土地の購入となります。なお、土地を購入に際しては、契約の前に、不動産会社が購入者に「重要事項の説明」を行うことが宅地建物取引業法によって義務づけられています。事前の説明と異なる部分はないかなど、念入りに確認するようにしましょう。
なお、契約時には手付代を支払うのが一般的です。契約にもよりますが、基本的には、土地代金の10%ほどが手付代となることが多いようです。また、手付金以外に、仲介手数料や契約印紙代等が必要となることもあります。
土地の購入後は、いよいよ施行会社との住まいについてプランニングです。新しい住まいでどんな暮らしを叶えたいのかを家族とも再度確認しながら、希望や要望をあらかじめ書き出しておくと良いでしょう。
間取りを検討する際には、主に以下のポイントに気を付けると良いでしょう。
設備について検討する際には、主に以下のポイントに気を付けると良いでしょう。
新しい住まいのプランが決まると、施行会社と「請負契約」を結びます。
施行会社との契約の際には、「工事請負契約書」、「工事請負契約締結書」、「見積書」、「設計図書」の4つの書類が施行会社から渡されますが、これらの書類は分量があり、その内容について全てを一度に確認することは出来ません。契約の前にあらかじめ写しを貰い、不明な点があれば契約日当日までに確認するようにしましょう。
実際に工事を始める前に、新しい住まいのプランについて、建築基準法等の観点から見て問題がないか、建築主(施工会社)が行政及び民間の指定確認検査機関を通じて確認をします。
住宅ローンには「固定金利型」と「変動金利型」の二つがあり、それぞれ以下のようなメリットとデメリットがあります。
返済が終わるまでローンの金利が変動しないのが固定金利型です。フラット35も固定金利型となります。金利が変動しないため、返済計画が立てやすいというメリットがある反面、将来的に金利が下がった場合に、その分の恩恵を受けることが出来ないというデメリットがあります。
固定金利型とは反対に、将来金利が下がった場合、返済額が少なくなる、というのが変動金利型のメリットです。ただし、将来金利が上昇した場合には、返済額は増えることになります。
さて、いよいよ着工となりました。あとは新しい住まいの完成を待つばかり…、ではなく、実は工事の前近隣住民への挨拶、地鎮祭、上棟式などなど、やらなければならないことはまだまだあります。最後まで気を抜かずに、きちんと準備をして臨むようにしましょう。
新しい住まいが無事出来上がりると、引き渡しの前に、施工会社の担当者や工事管理者等と「完成立会い」を行い、外壁および室内に傷や汚れなどがないかを確認します。
また、この完成立会いとは別に、特定行政庁または第三者機関が建築基準法に基づいて行う「完了検査」も行います。この二つの確認が終われば、晴れて引き渡しとなります。
注文住宅での家づくりをスムーズに進めるためにとくに重要なのが、入居希望日から逆算して、余裕のあるスケジュールを組むことです。土地がなかなか見つからない、あるいは、プランがなかなかまとまらない、といった場合にも、慌てずに済むようなスケジュールにするとよいでしょう。
また、普段から雑誌やインターネットでの情報収集を積極的に行い、漠然とでも、新しい住まいについてあらかじめイメージを作っておく、というのも重要です。
また、その際、予算についてもイメージしておくとよいでしょう。これこれの立地で大きさの土地に、これこれの間取りの建物を建てると、相場ではこれくらいになる、ということを予め理解しておけば、予算計画も立てやすくなります。